父親が亡くなり、母親は認知症だったので、成年後見の開始と特別代理人を選任して無事に遺産分割を成立させたケース/松原市

  • 状況

    • 母親は、5年ほど前に脳梗塞で倒れて以降、一度も意識を回復することなく、ずっと入院を続けています。
    • 物事を判断する能力はないとのことで、父親の遺産分割協議をすることも難しい状況のため、今日まで至っておりました。相続財産は預貯金が1000万と自宅の土地建物(評価額1300万)です。
  •  
  • 司法書士の提案&お手伝い

    • 遺産分割をするにあたって、母親が法律上物事を判断する能力が必要なため、判断する能力が無い場合には、家庭裁判所の手続きを経て、成年後見人を選任する必要なことがあることを説明し、長男が成年後見人となることを提案しました。
    • 成年後見人は本人(母親)の法定代理人として(未成年者に対する親権者のイメージです)本人(母親)に代わり、銀行手続き、施設での手続き等を代わりに行います。
    • 今回の亡き父の遺産分割についても、本来であれば成年後見人になる長男が代わりに行うことになるのですが、そうすると長男が長男の立場と母親の成年後見人という2名の立場で自分自身と協議することになり(民法上、利益相反行為となります)、無効となります。そのため、遺産分割協議についてのみ成年後見人に代わりに参加する特別代理人を選任する必要があること、その候補者を亡き父の相続人以外のご親族から立てていただくことをお願いしました。
  •  
  • 結果

    • 成年後見人選任、特別代理人選任を経て、被後見人である母親には、法定相続分を確保する必要がありましたが、自宅の土地建物は母親が相続し、預貯金は長男と長女が2分の1ずつ分けて相続するという遺産分割案を家庭裁判所に提案し、認められました。